名無しさん(大阪府)
2023/03/07(火) 08:01:32 ID:pf5iuliS
「相撲人生の中で何度もあるチャンスではないので、闘争心をもって、とにかく気持ちの入った相撲を取っていきたい」
2月27日、春場所(3月12日から大阪)の番付が発表され、横綱昇進に挑む大関貴景勝(26)が会見でこう言った。昨年の11月場所は優勝同点、先の初場所は優勝。横綱の昇進基準は2場所連続優勝か、それに準じる成績とも言われるが、それでも横綱になれなかったのはなぜか、課題があるとすれば何か。八角理事長(元横綱北勝海)に聞いた。
──貴景勝について「横綱に推薦されてもよかったのでは?」という声もありますが。
「横綱に推薦するのは横綱審議委員会なので、その理由はわかりません。ただ、貴景勝の場合はあくまで『優勝に準ずる成績』。確かに4場所連続で10勝以上中ですけど、その直前の昨年3、5月場所はいずれも8勝7敗で内容も良くなかった。そうしたところを加味されたのではないか。もちろん、審議の対象にはなっていると思いますよ」
──理事長は貴景勝をどう見ていますか。
「押し相撲で4場所連続10勝以上は非常に難しい。それだけ本人の精神力が強いことは間違いない」
──では、横綱になるにあたって物足りない部分や課題などは。
「圧倒的な立ち合いの圧力でしょうね。大関に昇進したばかりの頃の圧力。確かに最近は押しながら、相手をよく観察し、左からいなす相撲が増えてきた。それはそれで安定感は出てきますが、やはり、圧倒的な力強さを見せなければ、マイナスのイメージは回復できない」
──確かに貴景勝は負けるときはあっさり。口さがないファンは「ペタッと倒れ込んだカエルみたい」なんて声もあります。
「それは現役時代の私のことですか?(笑) ただ、あっさり負けるのは押し相撲の宿命でもある。むしろ、それを気にしていたら前に攻められません。常に強気強気じゃないとダメなんです。私も押し相撲でしたが、立ち合い変化であっけなく負けることもありました。そこで次に同じ相手と当たった時、立ち合いで慎重になったら、今度は思い切り当たられて負けたこともある。それ以降、変化で負けた次こそ、より迷いなく当たるようにしていましたから」
──貴景勝はかつて、執行部と対立した元貴乃花親方の弟子でしたが、それも昇進に影響しているのですか。
「それは関係ありませんよ。昨年の照ノ富士の横綱昇進パーティーでしたか、貴景勝と会った時に『とにかくぶつかり稽古をやりなさい。頭を押さえられた状態ですり足をしなさい』とは本人に言いました」
──その稽古の意図は。
「何回も何回もぶつかり稽古でぶつかって、クタクタになった状態で相手に頭を押さえられながらすり足をする。これは相当しんどいですが、その稽古が本場所での最後の一歩、半歩になる。それが1勝につながり、その1勝で横綱になれるかもしれない。私はこの稽古を(兄弟子の元横綱)千代の富士さんにやられました。そのおかげで横綱になれたようなものですよ。千代の富士さんが引退してからは、他の関取衆に頭を押さえる役をやってもらいましたが……遠慮があったんでしょうね。だから私は最後の1年はダメだった(苦笑)」
──理事長自身の経験談なのですね。
「こうした稽古を我慢してやることが、貴景勝にとって横綱への道につながると思う。はたかれても一歩前に出れば土俵に落ちずに残れるかもしれないし、最後の一歩で負けたはずの相撲が取り直しになるかもしれない。それくらいしぶとくいかないと、横綱になるのは難しい」
──確かに、貴景勝ははたかれると簡単に落ちるイメージがある。
「そう思われてしまうと、なおさら昇進には不利でしょう。その印象をはね返すほどの圧倒的な力強さがあればまだいいのですが……。もちろん、相手の力士に『いざとなれば、はたいて落とせばいい』と思われてはいけません」
──そうしたことも貴景勝には話したのですか?
「それはしません。最終的には自分の感性ですから。自分で考えて努力する人が横綱になるのが、大相撲ですから」
続く
以下ソース
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/319338
2月27日、春場所(3月12日から大阪)の番付が発表され、横綱昇進に挑む大関貴景勝(26)が会見でこう言った。昨年の11月場所は優勝同点、先の初場所は優勝。横綱の昇進基準は2場所連続優勝か、それに準じる成績とも言われるが、それでも横綱になれなかったのはなぜか、課題があるとすれば何か。八角理事長(元横綱北勝海)に聞いた。
──貴景勝について「横綱に推薦されてもよかったのでは?」という声もありますが。
「横綱に推薦するのは横綱審議委員会なので、その理由はわかりません。ただ、貴景勝の場合はあくまで『優勝に準ずる成績』。確かに4場所連続で10勝以上中ですけど、その直前の昨年3、5月場所はいずれも8勝7敗で内容も良くなかった。そうしたところを加味されたのではないか。もちろん、審議の対象にはなっていると思いますよ」
──理事長は貴景勝をどう見ていますか。
「押し相撲で4場所連続10勝以上は非常に難しい。それだけ本人の精神力が強いことは間違いない」
──では、横綱になるにあたって物足りない部分や課題などは。
「圧倒的な立ち合いの圧力でしょうね。大関に昇進したばかりの頃の圧力。確かに最近は押しながら、相手をよく観察し、左からいなす相撲が増えてきた。それはそれで安定感は出てきますが、やはり、圧倒的な力強さを見せなければ、マイナスのイメージは回復できない」
──確かに貴景勝は負けるときはあっさり。口さがないファンは「ペタッと倒れ込んだカエルみたい」なんて声もあります。
「それは現役時代の私のことですか?(笑) ただ、あっさり負けるのは押し相撲の宿命でもある。むしろ、それを気にしていたら前に攻められません。常に強気強気じゃないとダメなんです。私も押し相撲でしたが、立ち合い変化であっけなく負けることもありました。そこで次に同じ相手と当たった時、立ち合いで慎重になったら、今度は思い切り当たられて負けたこともある。それ以降、変化で負けた次こそ、より迷いなく当たるようにしていましたから」
──貴景勝はかつて、執行部と対立した元貴乃花親方の弟子でしたが、それも昇進に影響しているのですか。
「それは関係ありませんよ。昨年の照ノ富士の横綱昇進パーティーでしたか、貴景勝と会った時に『とにかくぶつかり稽古をやりなさい。頭を押さえられた状態ですり足をしなさい』とは本人に言いました」
──その稽古の意図は。
「何回も何回もぶつかり稽古でぶつかって、クタクタになった状態で相手に頭を押さえられながらすり足をする。これは相当しんどいですが、その稽古が本場所での最後の一歩、半歩になる。それが1勝につながり、その1勝で横綱になれるかもしれない。私はこの稽古を(兄弟子の元横綱)千代の富士さんにやられました。そのおかげで横綱になれたようなものですよ。千代の富士さんが引退してからは、他の関取衆に頭を押さえる役をやってもらいましたが……遠慮があったんでしょうね。だから私は最後の1年はダメだった(苦笑)」
──理事長自身の経験談なのですね。
「こうした稽古を我慢してやることが、貴景勝にとって横綱への道につながると思う。はたかれても一歩前に出れば土俵に落ちずに残れるかもしれないし、最後の一歩で負けたはずの相撲が取り直しになるかもしれない。それくらいしぶとくいかないと、横綱になるのは難しい」
──確かに、貴景勝ははたかれると簡単に落ちるイメージがある。
「そう思われてしまうと、なおさら昇進には不利でしょう。その印象をはね返すほどの圧倒的な力強さがあればまだいいのですが……。もちろん、相手の力士に『いざとなれば、はたいて落とせばいい』と思われてはいけません」
──そうしたことも貴景勝には話したのですか?
「それはしません。最終的には自分の感性ですから。自分で考えて努力する人が横綱になるのが、大相撲ですから」
続く
以下ソース
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/319338